虫歯C3なのに痛くない?その理由と隠れたリスク
虫歯はC0からC4までの進行度に分けられます。そのうちC3は、虫歯が象牙質を超えて歯髄(神経)にまで達した段階です。本来なら強い痛みが出ることが多いのですが、中には「C3なのに痛くない」というケースも存在します。痛くないからといって安心して放置すると、思わぬリスクを抱えることになります。この記事では、C3虫歯なのに痛みが出ない理由やその危険性、治療の必要性について詳しく解説します。
C3虫歯の特徴
C3の虫歯は、歯の内部にある神経まで虫歯が進行している状態を指します。象牙質を越えて細菌が神経に感染すると炎症(歯髄炎)が起こり、多くの場合はズキズキとした強烈な痛みを感じるようになります。夜眠れないほどの痛みを訴える患者さんも少なくありません。
それにもかかわらず、「C3なのに痛みがない」という人もいます。その理由は何なのでしょうか。
C3でも痛くない理由
C3虫歯で痛みが出ない理由には、以下のようなケースがあります。
- 神経が壊死している
- 慢性的に進行している
- 膿が逃げ道を作っている
これらは一見「楽になった」ように感じますが、実際には病気がさらに進んでいるサインです。
痛みがないC3虫歯のリスク
痛みがないC3虫歯を放置すると、以下のようなリスクが生じます。
- 感染が歯の根や顎の骨に広がる
- 膿がたまり、歯ぐきの腫れや顔の腫れにつながる
- 隣の歯や全身に悪影響を与える
- 最終的に歯を失う(C4へ進行)
歯科医院での治療方法
痛みがなくても、C3虫歯は必ず治療が必要です。一般的な流れは以下の通りです。
- 根管治療
- クラウンの装着
- 抜歯(保存不可能な場合)
早期受診の大切さ
「痛くないから大丈夫」と思ってしまうのが最も危険です。C3虫歯は治療が必須であり、放置しても自然に治ることはありません。むしろ症状が出ていないうちに治療を始めた方が、結果的に治療の負担を減らせる可能性があります。
▶ 虫歯C3は痛くなくても危険です。違和感を感じたらすぐに歯科医院へ
まとめ
C3虫歯は本来激しい痛みを伴うことが多いですが、神経が壊死している場合や慢性的に進行している場合などでは「痛くない」こともあります。しかし、それは治ったわけではなく、感染がさらに進んでいる危険な状態です。放置すれば歯を失うだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼします。痛みの有無にかかわらず、C3と診断されたら必ず歯科医院での治療を受けることが大切です。
記事監修 日吉ストーク歯科院長 中川翔太