虫歯C3の痛みはどれくらい?進行度と治療方法
虫歯は進行度によってC0からC4までの段階に分類されます。その中でも「C3」と呼ばれる段階は、虫歯が歯の神経にまで到達した状態を指します。この時期になると、今までとは比べものにならないほどの痛みを感じる人が多く、日常生活に支障をきたすケースも珍しくありません。では、C3の虫歯の痛みはどれくらい強いのか、どんな特徴があるのか、そして治療方法はどうなるのかを詳しく解説します。
C3虫歯の進行度と特徴
C3は、虫歯が象牙質を超えて歯の内部にある歯髄(神経や血管が通っている部分)まで到達した状態です。初期段階のC1やC2では「冷たいものがしみる」「甘いものを食べると違和感がある」といった軽度の症状にとどまりますが、C3に進行すると歯の内部が細菌感染し、炎症を起こすため、何もしなくても強烈な痛みを感じるようになります。
特徴としては、以下のような症状が多く見られます。
- 何もしていなくてもズキズキとした激しい痛みがある
- 夜眠れないほど痛むことがある
- 温かい飲み物や食べ物で痛みが増す
- 噛んだときに強い痛みを感じる
- 痛みが数時間続くことがある
この段階では、市販の鎮痛剤を使っても一時的な効果しか得られず、根本的に痛みを取り除くには歯科医院での治療が必要となります。
C3の痛みはどれくらい強いのか?
C3の虫歯の痛みは、多くの患者さんが「我慢できない」「眠れない」と訴えるほど強烈です。C2の段階までは刺激を受けたときに一瞬しみる程度ですが、C3では神経に炎症(歯髄炎)が起きているため、何もしていなくても持続的な痛みが続きます。
特に夜間に痛みが強くなるのは、横になると血流が増えて神経の圧力が高まり、炎症部分がさらに刺激されるためです。痛みの質としては、ズキズキ・ドクドクと脈打つような感覚が多く、「じっとしていられない」「頭まで響く」と表現されることもあります。
放置するとどうなる?
C3を放置すると、炎症がさらに進み、神経が壊死して痛みが一時的に消えることがあります。しかしこれは治ったのではなく、神経が死んでしまっただけです。その後は歯の内部で細菌が増殖し、膿がたまり、歯ぐきの腫れや膿の排出(フィステル)、最終的には骨にまで炎症が広がることもあります。
また、細菌が血液を通じて全身に回ると、心疾患や糖尿病の悪化、誤嚥性肺炎など全身疾患のリスクを高めることもあるため、単なる歯の問題にとどまらない点も危険です。
C3の治療方法
C3の虫歯に対しては、基本的に「根管治療」が必要になります。これは感染した神経を取り除き、歯の内部を消毒・殺菌して薬剤で密閉する治療法です。根管治療は複数回に分けて行われることが多く、治療後は被せ物(クラウン)を装着して歯を補強します。
根管治療によって歯を残せるケースは多いですが、感染が広がり歯の構造が大きく破壊されている場合は、抜歯が必要になることもあります。その場合にはインプラントやブリッジ、入れ歯などで噛む機能を回復させることになります。
早期受診の重要性
C3の段階に入ると、痛みが強烈で生活に支障をきたすだけでなく、治療も複雑で時間も費用もかかります。しかし、C1やC2の段階であれば、削って詰めるだけのシンプルな治療で済むことが多いのです。つまり、痛みが出る前に受診することが、歯を守る最良の方法です。
定期検診で虫歯を早期に発見し、C3に進行する前に治療を受けることが、痛みも負担も最小限にするポイントといえるでしょう。
▶ 我慢できない歯の痛みはC3のサインかもしれません。すぐに歯科医院へ
まとめ
虫歯C3は神経に達した段階であり、ズキズキと持続する強い痛みが特徴です。夜眠れないほどの痛みを感じることも多く、放置すれば神経が死んで一時的に痛みがなくなるものの、感染は進行し続けます。根管治療によって歯を残せる可能性はありますが、治療は複雑になり、場合によっては抜歯が必要になることもあります。C3の激しい痛みに悩まされる前に、早めの受診と定期的な検診で虫歯を防ぐことが大切です。
記事監修 日吉ストーク歯科院長 中川翔太


