親知らずの抜歯は上と下どっちが痛い?違いと痛みを軽減する方法

「親知らずを抜くとき、上と下どっちが痛いの?」という質問はとても多いです。結論から言うと、一般的には「下の親知らず」の方が痛みや腫れが強く出やすいとされています。
ただし、痛みの感じ方は人によって異なり、歯の生え方や抜歯方法によっても大きく変わります。この記事では、上と下の親知らずの抜歯の違い、痛みの原因、痛みを最小限にするコツを詳しく解説します。
上と下の親知らずの構造的な違い
上の親知らずと下の親知らずでは、歯の構造や位置に大きな違いがあります。
・上の親知らずは骨が比較的柔らかく、歯の根が浅いため抜けやすい。
・下の親知らずは骨が硬く、神経に近いため、外科的な処置が必要になることが多い。
下の親知らずは「下顎管」と呼ばれる神経の近くに位置しており、抜歯時にこの神経を傷つけないよう慎重に行う必要があります。そのため、手術時間が長くなり、痛みや腫れが強く出やすいのです。
上の親知らずを抜いたときの痛みの特徴
上の親知らずは比較的抜きやすく、痛みや腫れが少ないケースがほとんどです。
生えている方向もまっすぐなことが多く、歯ぐきを切開せずに抜ける場合もあります。
抜歯後の痛みは1~2日程度で落ち着くことが多く、翌日には日常生活に戻れる人も多いでしょう。
ただし、上顎洞(副鼻腔)に近い位置にある場合は、抜歯後に鼻の違和感や空気が抜けるような感覚が生じることがあります。この場合は、医師の指示に従って慎重にケアする必要があります。
下の親知らずを抜いたときの痛みの特徴
下の親知らずは「横向きに埋まっている」「歯ぐきや骨に覆われている」といった難しいケースが多いです。
抜歯の際に歯ぐきを切開したり、骨を削ったりする必要があるため、術後の炎症反応が強くなりやすいのです。
そのため、下の親知らずを抜いた後は、2~3日後に痛みと腫れのピークが来ることが多く、完全に落ち着くまでに1週間前後かかることもあります。
ただし、歯科医院で適切に処置し、薬をしっかり服用していれば、痛みは徐々におさまります。
痛みの強さを左右する3つの要因
親知らずの抜歯後の痛みには、上・下以外にも次のような要因が関係しています。
1. 歯の生え方
まっすぐ生えているか、横向きや斜めかによって手技が変わります。埋伏歯は痛みが出やすい傾向。
2. 抜歯にかかった時間
手術時間が長くなるほど組織への負担が増え、腫れや痛みが強くなります。
3. 体質・免疫力
疲労や睡眠不足、喫煙習慣があると治りが遅くなることも。
これらの条件が重なると、下の親知らずの抜歯はより痛みが強く感じられます。
痛みを軽減するためのコツ
抜歯後の痛みを和らげるには、次のポイントを守ることが大切です。
1. 冷却する(48時間以内)
氷や保冷剤で患部を冷やすと炎症を抑えられます。
2. 薬を正しく飲む
痛み止めや抗生物質は医師の指示に従って服用しましょう。痛みが出る前に飲むと効果的です。
3. 安静を保つ
運動や入浴などで体温を上げると、腫れや出血が悪化します。抜歯当日はゆっくり休むことが重要です。
4. 柔らかい食事にする
硬い食べ物や熱い料理は刺激になるため避け、スープやおかゆ中心の食事にしましょう。
5. 喫煙・飲酒を控える
治癒を遅らせる大きな原因になります。少なくとも3日間は控えましょう。
痛みが長引くときに考えられること
抜歯後、3~5日経っても痛みが強い場合は、「ドライソケット」という状態になっている可能性があります。
これは、抜いた後の穴(抜歯窩)にできる血餅(かさぶた)が剥がれ、骨が露出することで激しい痛みが続く症状です。
ドライソケットの主な原因は、強いうがいや喫煙、ストローの使用などです。放置すると痛みが長引くため、すぐに歯科医院で処置を受ける必要があります。
上と下の痛みの違いまとめ
- 上の親知らず → 抜歯が比較的簡単で痛みが軽い
- 下の親知らず → 外科的処置が必要なことが多く、痛みや腫れが強い
- ただし、歯の状態・技術・体調によって個人差が大きい
抜歯後の痛みは一時的なものであり、適切なケアをすれば確実に落ち着きます。
痛みを最小限にするための通院のコツ
- 信頼できる歯科医院を選ぶ(口腔外科専門医が理想)
- 事前にレントゲンやCTで神経の位置を確認する
- 抜歯後は処方された薬をきちんと飲みきる
- 痛みが強いときは我慢せず再受診する
術前・術後のケアをしっかり行うことで、上でも下でも痛みを最小限に抑えることが可能です。
記事のまとめ

親知らずの抜歯では、一般的に下の親知らずの方が痛みや腫れが強く出やすい傾向があります。これは骨の硬さや神経との位置関係が深く関係しています。とはいえ、正しいケアを行えば痛みは数日で落ち着きます。大切なのは「怖がらずに、信頼できる歯科医院で適切に抜く」こと。痛みを恐れて放置すると、かえって炎症や歯並びへの悪影響を招くこともあります。早期の対応と正しいアフターケアが、快適な回復への近道です。
記事監修 日吉ストーク歯科院長 中川翔太


