掌蹠膿疱症でお悩みの方へ
このようなお悩みありませんか?
- 手のひらがかゆくて生活に支障をきたしている
- 皮膚科に長年通院しているが症状が改善されていない
- ステロイドや抗炎症薬を処方されているが症状が良くなったり悪くなったりを繰り返している
- ビオチン療法や漢方、紫外線療法、食事療法などを行っているが改善される見込みがない
- 掌蹠膿疱症になる前に歯の治療を受けた
掌蹠膿疱症とは?
掌蹠膿疱症は、手のひらや足の裏に水ぶくれ(※水疱)や、うみのたまった小さなふくろ(※膿疱)が繰り返しできる慢性的な皮膚の病気です。症状が出ると、痛みやかゆみを伴うことがあり、日常生活に不便を感じることもあります。この病気のはっきりとした原因はまだ分かっていませんが、むし歯や歯周病、歯の詰め物などに使われる金属へのアレルギー、扁桃腺の炎症、喫煙などが関係しているのではないかと考えられています。できた膿疱の中には病原菌がいないため、人にうつることはありません。
掌蹠膿疱症の主な原因
金属アレルギー(金属の詰め物・被せ物)など
歯の治療で使われる金属は、お口の中の唾液や歯の汚れ(プラーク)、食べ物による温度変化、歯みがきのときのこすれなどによって、少しずつ溶け出すことがあります。溶け出した金属の一部は体に吸収され、汗と一緒に手や足から出てくることがあります。そのため、掌蹠膿疱症では、手のひらや足の裏に症状があらわれやすいと考えられています。
病巣感染(歯周病・根尖性歯周炎・扁桃炎など)
歯の根っこに炎症が起きる「根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)」や、歯ぐきの病気である歯周病のような慢性的な炎症があると、体の中で「炎症を引き起こす物質(炎症性サイトカイン)」が作られます。これらの物質は、歯ぐきの血管から体の中に取り込まれ、血液に乗って全身に広がることがあります。その結果、これらの物質が手のひらや足の裏などに影響を与え、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)の原因やきっかけになっている可能性があると考えられています。
喫煙
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)と喫煙との関係は、まだはっきりとわかっていない部分もありますが、タバコを吸っている方は、症状が悪化しやすかったり、治療の効果が出にくくなることがあるとわかってきています。実際に、掌蹠膿疱症と診断された方のうち、約8割が喫煙者だったという報告もあります。 また、タバコは掌蹠膿疱症の悪化要因のひとつと考えられている「歯周病」とも深い関わりがあります。そのため、喫煙されている方は、症状の改善のためにも、禁煙を検討することが大切です。
掌蹠膿疱症の治療方法
歯科医院で行う治療
セラミックによるメタルフリー治療
感染根管治療(根尖性歯周炎治療)
歯周病治療
皮膚科で行う治療方法【対症療法】
外用療法(塗り薬)
内服療法(飲み薬)
歯科医院で行う掌蹠膿疱症の対策・治療
金属不使用のメタルフリー治療【セラミック素材の詰め物・被せ物】
お口の中の金属が掌蹠膿疱症の原因となっている可能性が高い場合は、その金属を取り除く治療を行います。具体的には、金属製の詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)を外し、セラミックやジルコニアなど、金属を使用しないセラミック素材で作り直します。 当院は、豊富な種類の詰め物・被せ物をご用意していますので、患者様に合ったご提案が可能です。セラミック治療は、掌蹠膿疱症の改善が期待できるだけでなく、口元も美しくできる治療です。
感染根管治療(根尖性歯周炎治療)
根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)は、歯の根の先に炎症が起こる病気です。この炎症は、進行したむし歯をそのままにしていた場合や、以前受けた根管治療がうまくいかなかった場合、またはケガなどで歯の神経が死んでしまった場合に起こることがあります。神経がすでにない歯に起こるため、痛みなどのはっきりとした症状が出にくく、気づかずに放置してしまう方もいらっしゃいます。このような状態には「感染根管治療(かんせんこんかんちりょう)」という治療を行います。根管(歯の中の細い管)を丁寧に清掃し、薬剤を詰めて無菌に近い状態にすることで、炎症を抑えていきます。
歯周病治療
近年、歯周病が全身の健康にも影響を与えることが明らかになっています。歯周病を引き起こす細菌やその細菌が生み出す物質が、気道や血管を通じて体内に広がり、さまざまな健康問題を引き起こすことがあります。掌蹠膿疱症もその1つと言えます。歯周病は自覚症状が出にくいため、気づかないうちに進行し、重症化してから発見されることが多いです。そのため、歯周病が見つかった場合は、掌蹠膿疱症の治療だけでなく、歯や全身の健康を守るためにも歯周病治療を行うことが大切です。
掌蹠膿疱症の流れ
1アレルギーパッチテスト
皮膚科でアレルギーパッチテストを受けていただきます。
※当院では、金属アレルギーの診断は行えません。
2口腔内の検査
金属の被せ物や詰め物が口腔内にあるかどうか、歯周病の有無、さらにレントゲン撮影を行って歯根や顎の骨の状態を確認します。
3カウンセリング
検査結果と必要な治療についてご説明いたします。治療の進め方についてご相談をお受けし、不安な点やご不明な点があればお聞かせください。
4治療開始
患者様に治療の同意をいただきましたら、治療計画に沿って治療を開始します。同意がないまま治療を開始することはありませんので、ご安心ください。
全身の健康を守るために定期検診をおすすめします
歯科治療後も定期的なメインテナンスが重要
当院では、治療後も定期的にご通院いただくことをお願いしております。詰め物や被せ物の状態、使用感、またその他の治療経過について確認させていただきます。さらに、お口のトラブルを未然に防ぐためにも、メインテナンスは非常に重要です。また、歯垢・歯石をすべて歯磨きで取り除くことは難しいため、歯科衛生士によるクリーニングを受けていただくとむし歯・歯周病予防に効果があります。歯科治療が終了した後、全身症状の改善には時間がかかることがありますので、定期的にご来院いただき、経過を観察していきます。